AM品質保証 パウダーベッド異常のパターン
1.AM工法における品質保証
AMでつくる部品の品質保証は重要なテーマです。
部品特性、使用環境、要求値に対し重要度は異なりますが、部品の外観や寸法精度だけではなく、密度やガスポロシティ&未溶融など内部欠陥の状態が重要な評価項目となります。
(AMは素材を作る技術である)
このような内部欠陥は非破壊検査で確認することができますが、量産品で非破壊検査を適用するにはコストや納期面など、実用的ではありません。
(X線やCTでも材質や形状、部品の深部、検知サイズにより限界があります)
AM業界では独自の基準や検査項目で品質を担保していると考えられますが、やはり一番押さえておきたいポイントは『プロセス保証』を実現することです。
2.パウダーベッドの異常パターンと異常現象
皆さまは、造形中のパウダーベッド状態を確認していますか?
現在のAM装置にはほとんど搭載されているとは思いますが、要は造形中のリコーティング/レーザーの照射状態を画像で確認できる検査手法です。
今回は当社のお客様で実際に起きた事例を説明も含め掲載いたします。
Case1 良好なパウダーベッド状態
まずは、パウダーベンドが良好なパターンです。
リコーティング時に安定した綺麗な状態を保てているため、積層厚みは均等であり内部欠陥の可能性が低いと言えます。
レーザー照射後
材料リコーティング後
Case2 パウダーベッド異常
下記画像はパウダーベッド異常により製品へ悪影響をおよぼしたケースとなります。
(画像は材料リコーティング後となります)
ダウンスキン部の異常
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製品の減肉
サポート剥がれ
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表面粗さの悪化
リコータージャンプ
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造形失敗
パウダーベッド異常と製品不良は直結する場合が多いので、本来であればパウダーベッド検査を推奨いたしますが、多い時には1万枚を超える画像を検査することは難しいと思います。
まずは製品不良が起きた場合は、まずはパウダーベッドを確認し対策するようなフローを確立ください。
お客様への印象が絶対に良くなりますし、造形プロセスを理解することにも繋がります!
3.パウダーベッド異常を防止するための対策
上記のようなパウダーベッド異常を防ぐことは設計/ローテーション/サポートの付け方で解決することができます。
そのためには、材料による制約・サポート条件・残留応力・造形方向・装置の仕様に対し、AM工法に対応した設計を理解することです。
この設計を習得するだけで驚くほどに安定化へと繋がっていきます。
❷DfAM設計のスキル習得
❸造形ローテーションとサポート設計の理解
toDIMではAM設計習得に向けたサービスを実施しておりますので、ご検討ください。
お客様独自の設計ルールを確立致します。